「もう詰んでいる」と感じている人へ
人生や仕事について、
「もう詰んでいる」と感じる瞬間があります。
• どれを選んでも何かを失う気がする
• 決断した途端に、取り返しがつかなくなりそうに思える
• だから、何も選べないまま時間だけが過ぎている
こうした状態に対して、
多くの場合「詰み」という言葉が使われます。
ただ、ここで一度、
「詰み」とは本来どういう状態なのかを、
論理として確認しておく必要があります。
「詰み」とは、どういう状態か
将棋やチェスで使われる「詰み」とは、
どの手を選んでも、
負けが確定している状態
を指します。
重要なのは、
次の点です。
• 選択肢がないから詰みなのではない
• 判断できないから詰みなのでもない
選んだ瞬間に、結果が確定すること
これが「詰み」です。
今の状態は、本当に詰みか
「詰んでいる」と感じている人の多くは、
実際には次のような状況にいます。
選択肢は存在している
ただし
o Aを選べば、何かを壊す
o Bを選べば、別の何かを壊す
どれも軽く扱えない
この状態は、
精神的には非常に重く感じられます。
しかし論理的に見ると、
ここには一つの重要な特徴があります。
どの選択肢を選んでも、
損失が確定するとは限らない
という点です。
「選ばない」という状態について
一般的には、
何も選ばない状態は、
• 逃げ
• 停滞
• 先送り
として説明されます。
しかし、
どの選択肢も不可逆な損失を伴う局面では、
話は変わります。
• Aを選ぶ → 損失が確定する
• Bを選ぶ → 別の損失が確定する
• 選ばない → 損失はまだ確定しない
このとき、
選ばないことは、
何もしていない状態ではありません。
損失を確定させないという点において、
能動的な判断として成立しています。
なぜ「詰んでいる」と感じてしまうのか
このような状態にある人が、
「詰んでいる」と感じてしまう理由は、
状況そのものではありません。
多くの場合、
• 選んでいない
• =主体的でない
• =どこか間違っている
という前提を、
自分に重ねてしまっているためです。
しかし、
選ばないという判断が
損失を最小化している局面では、
この前提は成立しません。
だから、この状態は「詰みではない」
「詰み」とは、
何をしても負けが確定する状態です。
今あなたが置かれているのは、
• 厳しい状態かもしれない
• 判断が重くなっている状態かもしれない
それでも、
負けを確定させない選択肢が、
まだ有効である状態
です。
この意味で、
今の状態は論理的に「詰み」ではありません。
この話は、解決や行動の話ではない
ここまで読んでも、
• 何をすればいいか
• どれを選べばいいか
• いつ動けばいいか
は、示されていません。
この文章が扱っているのは、
それらではないからです。
扱っているのは、
「自分はもう詰んでいる」という
自己評価が、
論理的に正しいかどうか
という一点だけです。
最後に
この文章を読んだからといって、
• 人生が変わるわけではありません
• 判断が生まれるわけでもありません
ただ、
「もう詰んでいる」と
自分を断定してしまう必要は、
論理的にはない
という位置づけが、
残るだけです。
それ以上のことは、
ここでは扱いません。